訂正とお詫び
  ポンプメール2002年3/25日号にて内容に誤りがございました。
『インライン水車「ラインパワー」』についてのポンプメールのご案内は全8回ではなく、全4回になります。ここにお詫びして訂正いたします。

 

■第1回 インライン水車「ラインパワー」(小水力発電とその必要性)
(2002年3月25日号)

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第1回  インライン水車「ラインパワー」(小水力発電とその必要性)

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1.はじめに

 近年、温室効果ガス排出による地球温暖化が問題となっています。エネルギー消費に伴う温室効果ガス排出のうち、電力消費によるものが最もウェイトが高くその抑制が求められています。
 その中で、小水力発電や太陽光発電、風力発電がクリーンな再生可能エネルギー として注目されています。中でもエネルギー密度の大きい水からエネルギーを取り出す小水力発電は技術面で最も実用的であるとして見直されてきています。

2.小水力発電とは

 一般に水力発電とは、大規模なダムを設置したダム式水力発電を連想します。しかしながら、日本ではその開発率が9割近くになっています。また、ダム建設は自然の生態系を変化させ環境への影響が懸念されています。
 小水力発電は、流れ込む水力を利用した小規模な発電設備のため、このような影響がほとんどなく、小川や用水路などで、ある程度の水量と水位差があれば発電が可能なシステムです。
 また、一般家庭や工場、農地に流れる水は、高低落差による自然圧力、あるいはポンプによって人工的に圧力を加えることで、それぞれの場所へと送水されます。この送水圧力が強すぎる場合には、減勢弁、減圧弁を設けて余剰圧力を減圧している箇所が多数あります。小水力発電を利用すればこのような余剰圧力を無駄に捨てることなく、有効に利用することができます。

3.クボタの取り組み

 クボタでは余剰圧力の発生箇所として、浄水場に注目しました。浄水場は余剰圧力の宝庫です。また、水道事業は膨大なエネルギー(電力)消費により水道水を供給する事業であり、省エネルギー対策としてもこの余剰圧力の有効利用は不可欠となると思われます。
 従来の技術では、設備が過大になるため、スペース的にも予算的にも導入が難しいケースが多かったのですが、クボタではこれら既設設備に対応しやすい、コンパクトでシンプルな構造のインライン水車「ラインパワー」を開発しました。
 また、発電した電気の使い方には大きく分けて3種類あります。

1.所内負荷節約型・・ 既存の負荷の一部を節約するために発電した電気を利用
2.売電型・・・・・・ 発電した電気を電力会社に買ってもらう
3.自立電源型・・・・ 商用電源とは全く切り離し、単体で発電した電気を使う(山奥の明かりをともすイメージ)

クボタでは最もシンプルな構成で小水力発電システムを活用できる所内負荷節約型を
「ラインパワー」の負荷とすることを推奨しています。
 コンパクトでシンプルな構造のラインパワーと所内負荷節約型発電システムを組み合わせることにより、今まで無駄に捨てられていた浄水場内の余剰圧力を容易に有効利用する事ができます。

次号では、このラインパワーについて詳しく紹介します。


 

■第2回インライン水車「ラインパワー」(ラインパワーとは)
(2002年4月8日号)

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第2回  インライン水車「ラインパワー」(ラインパワーとは)

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 前回は、小水力発電とその必要性について書きました。クボタはこれに適したコンパクトでシンプルな構造をしたインライン水車「ラインパワー」を開発しました。
今回はそのラインパワーについて少し詳しくご紹介します。

1.ラインパワーの特徴

 1)低コスト
    水車と発電機が一体となった構造で、製造、据付コストが低減
 2)省スペース
    配管途中に設置するインライン型で、設置スペースをとらず、
    コンパクトな発電設備が実現
 3)メンテナンスの軽減
    シンプルな構造で消耗部品が少なくメンテナンスが容易
 4)高効率・安定品質
    高い運転効率を備え、発電機内蔵により音も静か
    クボタのポンプ製造技術を応用した流体設計で安定した運転が可能

 といった特徴があげられます。
 ここまではカタログにも載っている内容ですので、もう少し詳しくラインパワーのことを紹介しましょう。



2.ラインパワーの工夫

  ラインパワーの構造はこちら
   ↓↓↓↓↓↓
  http://www.kubota-pump.com/syosuiryokuhatuden/kouzou.html
1)シール性の向上
     ラインパワーの基本構造は一般的な水中ポンプと同様、ランナ、メカニカルシール、軸受、発電機の順に構成されています。
メカニカルシール(以下、メカと呼びます)は、軸受、発電機に水が侵入しないようにする部品です。このメカと軸受の間に空間を設けることにより、万が一メカが故障しても直接軸受、発電機内に浸水しないように工夫しています。
従来では、メカ故障=浸水=運転停止でしたが、この空間により、直ちに運転停止をする必要が無くなりました。
 
2)軸受のグリス給油、メカのオイル交換が容易
     軸受、メカは、車のエンジンオイル同様、定期的なグリス給油、オイル交換が必要です。しかし、このために都度分解点検していたのでは、手間が掛かります。そこで、オイル注入口を本体の外までパイプを設置して配置することにより、水車を配管に設置したまま分解せずに補給・交換が出来るようにしました。
また、この構造により配管中に油が漏れる危険性が少なくなります。まさに一石二鳥の工夫です。
 
 
 このようにラインパワーは、既存の水中ポンプの技術を応用し、発電機
内蔵型インライン水車として数々の工夫を詰め込み、開発しました。


 

■第3回インライン水車「ラインパワー」の仕様範囲の拡大
(2002年4月22日号)

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第3回  インライン水車「ラインパワー」の仕様範囲の拡大

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 前号では、インライン水車「ラインパワー」について触れましたが、
それに適用予定の水車用羽根車の開発について紹介します。

 選定表は
   http://www.kubota-pump.com/syosuiryokuhatuden/sentei.htmlです。

 この選定表に適用できる、効率、キャビテーション性能の良い水車用羽根車を開発する為に、3種類の斜流羽根、Ns=400、700、1000について開発を実施しました。ここで比速度Nsとはポンプで通常用いられる無次元数で表していて、以下の式となります。

   比速度Ns=N*(Q^0.5)/(H^0.75)   N…回転数(min-1)
                         Q…流量(m3/min)
                         H…有効落差(m)

開発の流れを次に示しますと、

       (1)モデル水車の設計
              ↓
       (2)羽根車流れ解析
              ↓     No
       (3)設計性能がでそうか?→(1)へ戻る
              ↓Yes
       (4)モデル水車の試作
              ↓
       (5)性能試験
              ↓   No
       (6)目標性能が出た?→(1)へ戻る
              ↓Yes
       (7)モデル水車の試作終了

これにより、ほぼ次表のような実機場への適用が考えられ、選定表のφ250〜φ600程度をカバーすることができます。

  口径(mm) 流量(m3/min) 有効落差 Ns
(1) φ300 12 15 700
(2) φ500 30 15 1000
(3) φ700 60 15 1000
(4) φ300 12 30 400
(5) φ300 30 30 400
(6) φ300 60 30 400

また、φ250以下についても更なる性能アップを目指した水車用羽根車の開発
を進めています。

*次回はインライン水車実機相当機の実運転について紹介する予定です。


 

■第4回インライン水車「ラインパワー」実機相当機仕様
(2002年5月14日号)

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第4回  インライン水車「ラインパワー」実機相当機仕様

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 今回は実機相当機の構造と仕様について紹介します。


1.構造について

 構造図→http://www.kubota-pump.com/syosuiryokuhatuden/kouzou.html

構造図をもとに電気を生み出すしくみを簡単に説明しますと、

(1) 水は図の左から右へ流れる
(2) ガイドベーン(案内羽根)によって流れの向きが変わる
(3) 水力により水車ランナ(羽根車)を回転させる
(4) 主軸を介しビルトイン発電機のローターが回り発電
(5) 電気はケーブルを通り負荷へと送られる

2.実機水車について

 モデルとして試作した水車について、性能試験を行いました。その時の設置の様子と仕様、またこの水車により得られるメリットについて示します。

(1) 性能計測の様子はhttp://www.kubota-pump.com/mailcheck.htmlです。

(2) 仕様
   水車型式     :インライン型(発電機内蔵型)
   水  量     :10m3/min
   有効落差     :16m
   発電機出力    :18.5kw
   水車総合効率   :73%
   回転速度     :1500min-1
   無拘束速度    :2700min-1
   出、入口径    :300mm
   全  長     :約1500mm
   質  量     :約1000kg
   材  質     :ランナ   CAC402
             ケーシング FC200
             主軸    SUS403
   発電機形式    :誘導発電機(ビルトイン型)6極22kW
   電  源     :AC200V、3相
   周波数      :50Hz

(3) コストメリット
 この水車を使い1年間で節約できる電気料金は、電気使用料を10(円/KW・h)とすると、

 18.5(KW)*24(h)*365(day)*10(円/KW・h)=1,620,600(円)

(4) 二酸化炭素削減量
 この水車を使い年間を通して発電したとすると、石油火力発電と比較して以下の
 ような削減量となります。値は二酸化炭素換算です。

 18.5(KW)*24(h)*365(day)*(0.733(kg/kwh)−0.018(kg/kwh))=116(ton/年)
   
  石油火力発電CO2排出量・・・0.733(kg/kwh)
  水力発電CO2排出量  ・・・0.018(kg/kwh)(電力中央研究所報告書参照)

 国民一人当りの年間排出量(1999年) ・・・9.67(ton/人・年)
  削減目標量は1990年(基準年)に対し6%削減として・・1.12(ton/人・年)
                      (JCCCAホームページ参照)

3.アプリケーション

 上水道残圧利用、工場内残圧利用、農業用水落差利用、ダム維持放流などに適用でき、照明、空調、ポンプ、噴水、融雪などの負荷に電気を供給することで電気料金の節約を図ることができます。
 二酸化炭素削減が求められる今、自然エネルギーの代表格である水力発電の活用について是非ご検討ください。

*次回はインライン水車実機相当機の実運転について紹介する予定です。




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